ピラティスに興味はあるけれど、いざ始めてみると「思ったよりきつい」「これで合っているのか分からない」と戸惑う方は少なくありません。
実はそれ、あなただけではなく、多くの初心者が感じている共通の悩みです。
ピラティスは、単に体を動かすだけでなく、「呼吸」や「姿勢」、「身体感覚」などを丁寧に育てていくエクササイズ。
そのため、最初はうまくできなくて当然ですし、少しずつ自分のペースで慣れていけば大丈夫。
この記事では、ピラティス初心者が直面しやすい「きついと感じる壁」と、それを乗り越えるためのヒント、さらに継続のコツまでを詳しくご紹介します。
これからピラティスを始める方、始めたけれど続けられるか不安な方に向けて、前向きになれるヒントをお届けします。
ピラティス初心者がきついと思う壁
ピラティスを始めたばかりの方の多くが、「思ったより難しい」「きつい」「うまくできない」と感じます。これは、ピラティスが単なる筋トレやストレッチではなく、“体の使い方そのもの”を再教育するエクササイズだからです。以下に、初心者が直面しやすい代表的な3つの壁をご紹介します。
1. 呼吸と動きの連動が難しい
ピラティスでは「胸式呼吸」を使いながら動作を行います。吸う・吐くタイミングが動きに合わせて決められており、この連動が初心者には最初の難関です。
呼吸に意識を向けると動作が止まり、動きに集中すると呼吸を忘れてしまう──。これは非常によくあるパターンです。ピラティスにおける呼吸は、筋肉を活性化させたり、体幹を安定させる重要な要素なので、自然にできるようになるまでには少し時間がかかります。
2. 自分の体幹や骨盤の状態がわからない
「骨盤をニュートラルに保つ」「お腹を引き上げる」「背骨を一つずつ動かす」など、ピラティス特有のキューイング(指示)が飛び交いますが、初心者にとっては「言われていることが分からない」という壁に直面します。
これは筋力が足りないからではなく、「自分の身体のどこが今どうなっているか」という“身体感覚”が未発達なためです。最初は感覚がつかめなくて当然なので、繰り返し丁寧に意識を向けることが、技術の向上に繋がっていきます。
3. 効果がすぐに見えず、モチベーションが下がる
ピラティスは、表面的な筋肉を鍛えるトレーニングとは異なり、姿勢や骨格、呼吸など“内側の変化”にフォーカスしています。そのため、最初の数週間では見た目の大きな変化が起こりづらく、「本当に効いているのかな?」と不安になる方も少なくありません。
しかし、続けることで確実に身体の使い方が変わり、肩こりや腰痛の軽減、呼吸の深まり、疲れにくさなど、日常生活における変化が現れてきます。
初心者の壁は“成長の入り口”
ピラティス初心者が感じる「難しい」「分からない」「きつい」といった壁は、どれも身体と丁寧に向き合っている証拠です。最初の数週間〜1か月を乗り越えることで、少しずつ身体感覚が養われ、自信と達成感に変わっていきます。焦らず、できないことを受け入れながら、自分のペースで続けていきましょう。
ピラティス初心者がきついと思う壁の乗り越え方
ピラティスにおいて、初心者が感じる“きつさ”は、単なる筋力不足ではなく「体の使い方」や「意識の向け方」によるものが多くを占めます。これらの壁を乗り越えるには、感覚を丁寧に育て、段階的に理解を深めることが大切です。ここでは、前回紹介した3つの壁に対して、それぞれの乗り越え方を具体的にご紹介します。
1. 呼吸と動きを連動させるコツ
ピラティスにおける呼吸は、体幹の安定とリズムづくりの鍵です。呼吸と動きの連動が難しいと感じたときは、まず動きとは切り離して「呼吸の練習」だけを行う時間を設けましょう。
仰向けに寝て、肋骨を左右に広げる胸式呼吸を5〜10回繰り返すだけでも、呼吸の感覚がつかみやすくなります。慣れてきたら、ゆっくりとした動きと組み合わせて「吸って準備、吐きながら動作」の基本パターンを身につけていくと、自然と呼吸と動きが一致していきます。
2. 体幹や骨盤の感覚を育てる
初心者の多くがつまずく「骨盤ニュートラル」や「お腹を引き上げる」などの感覚は、一朝一夕では身につきません。大切なのは**“動かす”前に“感じる”時間を作る**ことです。
例えば、骨盤の前後傾をゆっくり繰り返して、自分の「ニュートラルな位置」を探してみる。あるいは、仰向けで膝を立てた姿勢から、おへその下を軽く引き込むように意識し、深層の腹筋(腹横筋)を感じる練習をする。こうした“感覚の確認”が、次第に動きの精度を高めてくれます。
3. 効果を感じにくいときの意識の向け方
ピラティスの効果は、外見の変化よりもまず姿勢・呼吸・動作の質に表れます。つまり、「見た目」ではなく「日常生活の快適さ」に意識を向けることが、継続のモチベーションにつながります。
たとえば、「立ち姿が自然と整った」「長時間座っても腰が痛くない」「呼吸が深くなった」といった、小さな変化に気づく力を育てましょう。また、1〜2週間ごとに写真を撮って姿勢の変化を記録したり、感想をノートに書き残すことで、内側からの進化を可視化できます。
ピラティス初心者がきつい時に継続するコツ
ピラティスは、地味で静かな動きの中に深い集中と筋肉への刺激が隠されており、続けるほどその奥深さが見えてきます。しかし、始めたばかりの頃は「こんなにきついの?」「効果が分からない…」と感じて、途中でやめてしまう人も少なくありません。
では、どうすれば“きつい時期”を乗り越え、継続できるのか?ここでは、初心者がピラティスを無理なく続けるためのコツを5つ紹介します。
1. 完璧を目指さず「今日は◯◯だけ」でOK
初心者は、「フォームが正しくないと意味がない」「全部通してやらなきゃ」と思いがちですが、継続において大切なのは“完璧”より“習慣化”です。
「今日は呼吸だけ意識する」「1種目だけでもOK」「5分だけでもやる」という柔軟な考え方を持つことで、心のハードルが下がり、結果的に続きやすくなります。
2. 日常の中にピラティスの感覚を取り入れる
マットの上だけがピラティスではありません。日常生活の中でも「骨盤を立てて座る」「肩の力を抜く」「足裏でしっかり床をとらえる」といった意識を持つだけで、ピラティスの効果は持続します。
「動かなくても、意識だけでもピラティスになる」ことを知れば、忙しい日や体調がすぐれない日でも、自分を責めずに前向きに取り組むことができます。
3. 効果を“感じる記録”をつける
体重やウエストの数字だけに頼るのではなく、「姿勢が良くなった」「呼吸が深くなった」「腰痛が減った」といった“感じた変化”をメモに残してみましょう。
小さな気づきの積み重ねが、目に見えない成長を実感する助けになり、モチベーションの維持につながります。週1回、写真で姿勢を記録するのもおすすめです。
4. 音楽や空間で“続けたくなる環境”をつくる
心地よい音楽、好きな香り、明るく片づいた空間は、練習の質と継続力を高めます。気分が乗らない日も、リラックスできる環境があるだけで自然とマットに座りたくなります。
また、お気に入りのウェアやマットを使うことも、自分にとっての“スイッチ”として効果的です。
5. 誰かと一緒にやる or 見守ってもらう
グループレッスンやオンライン配信を利用することで、モチベーションが維持しやすくなります。自宅で続けたい人は、週に1回だけでもインストラクターのレッスンを受けることで、自分では気づけない改善点が見つかり、意欲が湧いてきます。
また、「今日はピラティスやったよ」と家族や友人に報告するだけでも、自分の継続を後押しするきっかけになります。
まとめ
ピラティス初心者が感じる「きつい」「難しい」「分からない」という壁は、決して失敗ではなく、むしろ成長の入口です。
呼吸と動きの連動、身体感覚の育成、効果の実感には少し時間がかかりますが、焦らず続けていけば、確実に身体の変化を感じられるようになります。
完璧を求めすぎず、「今日はこれだけでOK」と小さく続けること。日常生活の中にもピラティスの意識を取り入れること。自分なりの効果を記録していくこと。
こうした工夫が、きつい時期の心の支えとなり、習慣化への鍵になります。
ピラティスの本質は“内側の変化”にあります。数週間後、ふとした瞬間に「体が軽い」「呼吸が深い」「姿勢がきれい」と感じられたなら、それは確かな成長の証です。
自分の体と丁寧に向き合う時間を、どうか楽しんでください。あなたのペースで、無理なく、心地よく続けていきましょう。
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